宇宙に一番近い場所、マウナケア山





ハワイの最高峰、標高4,205メートルのマウナケア山。ハワイ島を形成する5つの巨大な火山の1つで、ハワイ諸島で最も高い火山です。ハワイ語でマウナケアとは「白い山」を意味します。その名の通り、冬になると雪が降り、雪化粧をした山頂の姿を見ることができます。ハワイアンの聖地で、特別なパワーがあると崇められてきたパワースポット・マウナケアは、あまりの星空の美しさから「宇宙に一番近い場所」と言われています。

日本が誇る富士山の標高は3,776メートル。それよりも高いマウナケア山ですが、山頂まで車で行くことができます。マウナケアから見る、今にも降ってきそうな満天の星空と世界有数のきれいなサンセット(及びサンライズ)はハワイ島に来たらぜひ拝んでおきたい特別な場所です。







環境天体観測に最適の環境


赤道付近にあるハワイ島は、北半球の全天と南半球の90%の天体を観測する事が可能です。標高の高いマウナケア山頂の周囲には明かりがなく、地上の1/6という薄い空気は澄んでいます。1年のうちに雨が降るのは6~7日程度、300日以上は晴れということで、山頂の天気はかなり安定しています。世界で最も天体観測に適した場所の一つです。このような好条件が揃っているため、日本のすばる望遠鏡をはじめ世界11ヶ国の研究機関が合計13基の天文台(マウナケア天文台群)を設置しています。山頂に立ち並ぶ望遠鏡群は圧巻の一言。13基以上の天文台を建設しない取り決めがあるのでこれ以上増えることはありません。ケック天文台のように内部を一般公開されている天文台もあります。





オニヅカ・ビジターセンター


標高2,800メートル付近にあるオニヅカ・ビジターセンター。富士山でいうと7合目あたりでしょうか。マウナケアに登る人はツアーでも個人でも、高山病対策のために必ずここで30分以上の休憩をとります。この時点で既に空気が約10%薄くなっているので、身体を慣らす必要があるからです。ここで頭痛を感じたり身体の不調を訴えたりすると、登頂を断念せざるをえません。体調管理に注意してください。

オニヅカ・ビジターセンターは、ハワイ島コナ出身の日系二世で、ハワイ州初の宇宙飛行士であるエリソン・オニヅカ氏にちなんで建てられました。初飛行は1985年の「ディスカバリー」、続く1986年の「チャレンジャー」で爆発事故によって亡くなりました。ビジターセンターの入口にはオニヅカ氏の記念碑が建てられています。

 



必見の高山植物・銀剣草


オニヅカ・ビジターセンターの敷地内で見られる、世界でもヒマラヤとマウイ島のハレアカラ、そしてこちらハワイ島のマウナケアにしか生息していない、希少な絶滅危惧の高山植物、銀剣草。その名前のとおり、葉が光に反射して銀色の剣が集まったかのように見えます。 銀剣草を観察する時は葉に触れてはいけません。銀剣草はとても繊細なので、人肌程度の熱でも痛んでしまい枯れる原因になります。

 



幻想的なサンセット


オニヅカ・ビジターセンターを過ぎるとだんだん植物の生態系が変わり、 雲海より上に来るとまるで宇宙の星にいるかのような景色に変わります。天体望遠鏡群が見えるとそこが山頂です。山頂で雲海をオレンジ色に染めて沈む夕日は、とても幻想的でこの世のものとは思えません。地球が丸いということを肌で感じながら見る夕日は、忘れられない圧巻の光景です。

 



地球の影


山頂の方向には、地球の影やビーナスベルトなどの大気現象が見られます。空に伸びるピンク色のラインがビーナスベルト。その下の青い色の部分が地球の影です。また、雲海にはマウナケアの影が映ります。こういった現象も神秘的で美しいです。

 



満天の星空


“日没後30分以内に山頂より下山しなければならない”というマウナケアの規則により、山頂付近での星空観測は禁止されているため、標高3,500メートル地点で行います。人工的な光が皆無の真っ暗闇の中の星空観測は、思わず絶句してしまう程のすばらしさです。空を見上げると360度満天の星空!いえ、見上げなくとも周囲に星が光り輝いていて、星に囲まれているような感じがします。キラキラと瞬く天の川もはっきりと確認することができ、誰もがきっと感動することでしょう。日本では見ることができない南十字星などもぜひ見ておきたいところです。 満点の星空をご覧になりたい場合は、月の光の影響が多い月齢4日から月齢16日までの期間を避けることが望ましいです。 ツアーに参加される場合は天体望遠鏡で土星や月の観測も行います。月だけでなく、惑星や星雲も見ることができ、大興奮すること間違いありません。月の表面のクレーターまでしっかり見ることができます。

 



山頂にはツアーがお勧め


4WDならば行けないことはありませんがお勧めはしません。山頂付近では、車のライトが星の観測に悪影響を及ぼすため、暗くてもライトの点灯は禁止されています。慣れない山道をライトなしで運転するのは思っている以上に危険です。また、マウナケア山頂の酸素濃度は地上の60%程度。高山病の心配もあります。これらを踏まえてなおご自身で行かれる場合は、何かあっても全て自己責任ということを肝に銘じておいてください。安全面はもちろんですが、防寒具を借りられたり、高精度の天体望遠鏡で星を見ることもできるのでツアー利用をお勧めいたします。ちなみにツアーでも、12歳未満の子供、妊娠中の方、24時間以内にダイビングをした方などは参加を禁止されています。

ハワイ島に来たら、ぜひとも訪れてほしいマウナケア山。星空やサンセットの素晴らしさを目の当たりにすると、きっとこれまでの価値観が変わります。